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研究グループ
血管・分子生物学グループ

スタッフ

石森 直樹(臨床研修センター・准教授)

齋藤 晶理(医員)

研究紹介

急速な高齢化と食生活の欧米化によって、わが国でも心筋梗塞などの動脈硬化性疾患が急増しています。救急医療体制の整備やカテーテル治療の進歩によって、急性期救命率は上昇してきましたが、心筋障害が著しい場合には慢性期に心不全を起こすことがあります。

近年、心不全に対する薬物・非薬物療法は進歩してきましたが、今なお多くの心不全患者では、息切れなどの症状から解放されず、生活の質は障害され、入退院を繰り返しているのが現状です。今後、心不全入院が増加すると言われており(心不全パンデミック)、心不全に対する新たな治療法の開発が強く求められています。

心不全では、心筋細胞の肥大や間質の線維化など、「心筋リモデリング」が進んでいますが、慢性炎症が重要な役割を果たすと言われています。ナチュラルキラーT(NKT)細胞は、糖脂質を認識して多彩なサイトカインを分泌するため、免疫応答を制御する細胞として注目されています(図1)。これまで、当科心不全グループとの共同研究において、心不全モデルマウスのNKT細胞を活性化すると、心不全の進行が軽減し、死亡率も低下したことが見出されています。

これらの背景をもとに当グループでは、樹状細胞を担体としたα-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)を効率的にNKT細胞を活性化する細胞製品として注目し、これまでに製品規格設定やマウス用いた非臨床試験(安全性薬理試験・毒性試験・薬効評価試験)を実施し、α-GalCer/DCの安全性および有効性について確認してきました。現在、PMDA薬事戦略相談を受けながら、慢性心不全患者さんを対象としたα-GalCer/DCの医師主導治験(Phase I/II)の実施に向けて準備をすすめています(図2)。

本治験でα-GalCer/DCの慢性心不全に対する有効性が実証されれば、心不全コントロールに難渋する患者さんに対して、新たな治療法として実用化されることが期待されます。

図1.免疫制御細胞としてのナチュラルキラーT(NKT)細胞

図2.NKT細胞活性化による新たな心不全治療の実用化