スタッフ
- 永井 利幸/准教授・班主任
- 神谷 究/助教
- 表 和徳/助教(腫瘍循環器担当)
- 佐藤 琢真/医員(VAD/移植・緩和ケア担当)
- 多田 篤司/助教
- 石坂 傑/特任助教
- 小林 雄太/特任助教
- 阿部 隆宏/大学院生 理学療法士(心リハ担当)
- 本居 昂/大学院生(博士課程)
- 竹中 秀/大学院生(博士課程)
- 水口 賢史/大学院生(博士課程)
- 髙橋 勇樹/大学院生(博士課程)
- 青柳 裕之/大学院生(博士課程)
- 齊院 康平/大学院生(博士課程)
- 玉置 陽生/大学院生(博士課程)
- 内藤 正一郎/大学院生(博士課程)
- 數井 翔/大学院生(博士課程)
- 立田 大志郎/大学院生(博士課程)
- 中村 公亮/大学院生(博士課程)
- 安井 悠太郎/大学院生(博士課程)
診療内容
心不全のトータルケア
多職種介入による集学的な治療戦略の構築と実践
包括的治療プログラムを通した適切な運動療法、食事指導、疾病教育の徹底を前提とし、心不全に対する十分な至適薬物療法の検討、腫瘍循環器(後述)などを含む各種病態別の対応に加え、心臓リハビリテーション(後述)、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)、経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)、心臓再同期療法、植込み型除細動器、カテーテルアブレーションに代表される非薬物療法、更には左室補助人工心臓(LVAD)や心臓移植といった末期重症心不全患者に対する治療について幅広く適応を検討し、多面的かつ長期的な視野に立って適切な時期に、適切な治療を、適切な患者に行うことを目標としております。
また、毎週行われる重症心不全カンファレンスにおいて心不全教育が特に重要と判断された症例においては、多職種介入(病棟看護師、管理栄養士、理学療法士、薬剤師、医師)のもとで心不全チェックリストを運用し、各職種における評価を共有することで心不全患者の生活の中に潜む心不全増悪要因を把握し、それに合わせた適切かつ患者・家族の価値観や思いに沿った心不全セルフケア支援を進め、再入院の予防に努めております。
#01
心不全の検査・診断
#02
心不全の重症度に応じた治療
#03
重症心不全カンファレンス
重症心不全診療
重症心不全症例の意思決定支援および診療方針の決定
VAD装着中及び移植後管理における様々な問題に関しては、毎週開催されるVAD・移植カンファレンスにて多職種介入(循環器内科医師・循環器外科医師・ICU医師・精神科医師・臨床心理士・病棟看護師・臨床工学士・理学療法士・薬剤師・管理栄養士)のもと、安全性を最優先とした治療戦略や心理的・社会的問題に関して議論しております。また、北海道大学では心臓移植術後急性期より循環器内科が主体的に関わり、ICU医師、循環器外科医師、レシピエントコーディネーターと協力し循環動態・免疫抑制剤をはじめとした移植術後管理を行っております。今後適応症例が増加する中で、循環動態・至適薬物療法・機械的補助循環の管理に習熟している循環器内科医の果たす役割はますます大きくなるものと考えられます。心臓移植実施施設としての特徴を活かし、軽症から重度の症候性心不全、VAD装着中から移植術後までシームレスな多職種による包括的支援を目標として活動を続けております。
#04
HVAD (提供:日本メドトロニック株式会社)
#05
HeartMate3 (提供:ニプロ株式会社)
心不全緩和ケア
早期からの心不全緩和ケアの提供とアドバンス・ケア・プランニングの実践
当科教室科長 安斉 俊久は厚生労働省が設置した「循環器疾患の患者に対する緩和ケアの提供体制の在り方を検討するワーキンググループ」の構成員であり、日本循環器学会ガイドライン「循環器疾患における緩和ケアについての提言(2021年改訂版)」における班長を務め、本邦における心不全緩和ケア体制の整備とケアの標準化を強力に推進しています。
#07
心不全治療と緩和ケアの関係
#08
心不全緩和ケアチームの概念
#09
当院心不全緩和ケアチーム
重症心不全診療が必要な患者様に関して
以下のような重症心不全診療が必要な患者様がおられましたらお気軽にご相談ください。
・65歳未満で、心不全や難治性不整脈により入退院を繰り返す症例
・強心剤からの離脱困難症例
・若年心筋症症例:心臓移植、LVAD適応の有無について評価目的
心臓リハビリテーション
心不全に対する心臓リハビリテーション
#10
心臓リハビリテーションの流れ
#11
当院の心臓リハビリテーション室
腫瘍循環器
腫瘍循環器学 ~Onco-Cardiology~
腫瘍循環器学とはがん化学療法における心血管合併症を診断・予防・治療する新しい循環器サブスペシャリティ領域です。本邦における死因の第一位はがんであり、今や「2人に1人ががんになる」と言われる時代で、がん治療や診断法の著しい発展は、がん患者の予後を改善し、がんサバイバーの増加をもたらしています。その一方で、人口の高齢化に伴い心血管疾患を合併したがん患者が増加し、がん化学療法や放射線治療による心不全を代表とする心血管合併症が、がん治療継続を困難とさせている問題に直面することがあります。また、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新たながん化学療法による心血管合併症の出現やがんサバイバーにおける長期的な心血管リスクの問題点もあります。このような背景から、がん診療と循環器診療の新たな協力体制が求められる状況が生まれ、がん領域と循環器領域で診療科の垣根を越え連携して診療にあたる腫瘍循環器学という新たな臨床領域が生まれ、国内外で急速に体制整備が進められています。循環器内科の立場から「がんを患った患者さんの心臓を守る」ことを目的として、2019年夏より腫瘍循環器外来を開設しています。腫瘍循環器外来では、がん患者さんの治療中に起こる心血管合併症の診療や、循環器疾患を抱えた患者さんのがん治療を円滑におこなうサポートを目的とし、主に下記項目を担当しています(下図)。
#12
腫瘍循環器学のがん患者に対するアプローチ