部門概要
当教室では、循環器疾患(虚血、心不全、不整脈等)における研究を柱とし、臨床医の立場から想起された疑問点や問題点を病態生理まで深く掘り下げ、基礎研究と有機的に結合して病態基盤の解明と効果的・効率的治療の開発・確立を目指しています。
具体的には、大学病院で推進する高度先進医療(心血管カテーテル治療、不整脈デバイス、重症心不全治療)を日々実践しながら、対象となる幅広い循環器疾患を最新鋭の画像診断装置・生理解析機器にて多角的に診断・評価します。そこで得られた新たな臨床知見を、最先端の分子生物学的手法を駆使して分子・遺伝子レベルまで詳細に検討し、新規診断法や治療法の確立を実現させます。さらに、主に道内関連病院との多施設共同研究によって本邦独自の大規模心不全疫学データベースを構築し、保存検体を用いた網羅的遺伝子・代謝物解析によって、心不全における精密医療(プレシジョン・メディシン)の提供にも取り組みます。
各研究グループはそれぞれの専門性を生かしながら、世界に通用する優れた研究成果の発信を目指し、「患者さんのためになる研究」をモットーに次世代を担う研究者(Physician scientist)の育成にも注力しています。サイエンスとしての循環器医学・医療の進歩にむけて、多くの若い先生が我々の研究チームに加わってくれることをぜひ期待しています。
リサーチカンファレンス
当教室では毎週火曜日 午前8時からリサーチカンファレンスを開催しています。大学院生がそれぞれの研究テーマの進歩状況や成果をプレゼンテーションし、活発な議論のもとに今後の研究方針を決める重要な場になっています。
また、当カンファレンスは医学院博士課程の医学総論(循環病態内科学)における履修項目になっています。他科の大学院生や研究者、学生であっても自由に参加できますので、皆様のご参加を心よりお待ちしています。
研究情報の公開(オプトアウト)について
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用い研究等については、国が定めた指針に基づき「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。
このような手法を「オプトアウト」と言います。オプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。なお、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。
オプトアウトを用いた臨床研究の一覧
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
- 2019年12月11日
JROAD-DPCを使用した、劇症型心筋炎の疾患登録とその解析
- 2019年10月4日
心不全患者におけるβ遮断薬の効果に関する人種間差異を検証する研究(国際共同研究)
- 2019年6月10日
左室駆出率の保たれた心不全患者の三尖弁閉鎖不全症と予後との関連についての検討
- 2019年6月6日
心不全患者における肺動脈楔入圧v波の意義と、その拡張早期肺動脈v波との関連に関する研究
- 2019年5月14日
経カテーテル大動脈弁植込み術症例における大動脈弁狭窄症の病型ならびにその予後に関する調査(日本心エコー図学会 学術プロジェクト)
- 2019年4月29日
拡大心と肥大心における左室内渦流形成に関する研究
- 2019年4月9日
植込型除細動器(Implantable cardioverter-defibrillator:ICD)患者における予後に関する後向き観察研究
- 2019年4月2日
経皮的僧帽弁接合不全修復システムを用いた僧帽弁閉鎖不全に対する治療介入の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究
- 2019年3月23日
左房起源心房頻拍の予測に関する患者背景と心電図的特徴を検討する後ろ向き観察研究
- 2019年3月12日
心臓サルコイドーシスの臨床的および病理的特徴と予後に関する研究(多施設共同後ろ向き研究)
- 2019年1月8日
房室弁開放時相の視覚的評価に基づく左心不全血行動態評価法に関する検討
2018年度
- 2018年11月5日
大動脈弁狭窄症におけるproximal isovelocity surface area (PISA)法を用いた 弁口面積算出の妥当性に関する検討
- 2018年10月15日
心エコー法による右室収縮機能指標計測における適切な断面設定に関する研究
- 2018年10月1日
左室硬さを反映する左房収縮時逆行/順行血流量比を用いた心不全例の予後予測に関する研究
- 2018年8月17日
経カテーテル大動脈弁置換術が施行された高度大動脈弁狭窄症患者における治療による左室の外的仕事量の変化に関わる因子の同定と予後への影響に関する研究
- 2018年7月31日
スペックルトラッキング法を用いた肥大型心筋症の左房心筋メカニクスの解析
- 2018年9月13日
カテーテルアブレーション治療周術期および術後における 経口Xa阻害薬リバーロキサバンの有効性および安全性評価のための後ろ向き観察研究