天満 太郎
留学先:UCLA Cardiac Arrhythmia Center (USA)
2019年9月から、University of California, Los Angeles (UCLA)のCardiac Arrhythmia Centerで研究留学をしています。Chief ProfessorはKalyanam Shivkumar教授で、2008年より今の研究室を運営されています。本研究室では、不整脈の基礎研究はもちろんでありますが、そればかりではなくNeurocardiology: 自律神経と心臓(不整脈だけではなく心不全も)に着目しており、Nature CommuやJ Physiolといった基礎系雑誌に論文を発表されております。それだけではなく、William H. McAlpineといった著名な心臓解剖学者(恥ずかしながらUCLAにくるまで知りませんでした)が在籍していたため、心臓解剖学に関しても非常に明るい研究室であります。また、大きな研究室であり、上述の上司の他にもPrincipal Investigatorが4~5名存在し、それぞれに大学院生をかかえ日夜研究を行っております。私は幸運にもProf, Shivkumarのもと研究生活を開始することができました。まだ具体的な実験には至っておりませんが、彼からは「Virtual Electrocardiogram Sensing」という壮大な主題を仰せつかりました。正直荷が重い面もありますが、せっかくのアメリカ研究留学ですので、真正面からぶつかっていきたいと思います。将来的にはUCLAの附属病院であるRonald Regan Medical Center内における多くの難治不整脈症例に対して「Virtual Electrocardiogram Sensing」を用いた臨床応用ができればと考えております。現実を知らず(まだアメリカ研究期間が短いので…)、夢だけ語ってしまっている面もあり、お目汚しとなりましたらご容赦ください。
次に研究室だけではなく具体的な生活に関しても記載します。一番驚かされたのは、こちらの生活は本当に朝が早いということです。実験が7時から始まるので毎日6時頃に自宅をでておりますが、驚くことにこのような朝早くから店舗が開いており、通行人もたくさんいます。これには本当に驚かされたとともに、アメリカの勤勉さを感じました(渡米前とは全く印象が違います)。また、月並みですがアメリカは多様性に富んでおります。私の研究室でも北米・ヨーロッパ・中東・アフリカ・アジアとほぼすべての人種がいるのではないかと思いますし、娘の小学校、妻の大学(妻は英語勉強のためLocal Collegeに通いだしました(なんと無料です))でも同様であります。アメリカは、この多様性を拒絶するのではなく昇華させていくことでいずれに対しても対応できる強さを育てているのではないかと感じます。このことを肌で感じることは、文化・生活環境の違いに戸惑い・苦労することが多々ある私たち家族ですが、それ以上に大きい人生経験となるのではないかと思っております。
まだ期間が短く、自分自身も海外留学をすべて経験しているわけではありませんが、この短期間でもこのような経験ができました。本文を読んでいる医局若手医師や循環器内科医を目指す研修医・医学生には、海外留学を視野にいれることを切に願います。
最後となりましたが、この場をお借りして海外留学の機会を与えて下さった安斉 俊久 教授、循環病態内科学および同門会の先生方へ心より感謝申し上げます。